「営業のスキルって、本当に他の業界で通用するのか?」という問いに、私はYESと断言できます。私自身、大手生命保険会社2年・総合保険代理店3年の営業経験を経て経営者へとキャリアチェンジを果たしました。その過程で出会った異業種転職の成功事例・失敗事例7名分を、2026年版の情報とともにここで整理します。これから営業からの異業種転職事例を探しているあなたに、リアルな判断材料を提供します。
異業種転職事例7選の全体像|営業職が動いた先の4つのフィールド
なぜ今、営業から異業種転職が加速しているのか
2024年から2025年にかけて、転職市場では「営業経験者のIT・マーケ転職」が顕著に増えています。背景にあるのは、SaaS企業やDX推進企業が「商談力のあるITリテラシー習得者」を求めているという採用側の変化です。従来のIT転職といえば「エンジニア職」が中心でしたが、インサイドセールスやカスタマーサクセス、ITコンサルタントといった「営業経験が武器になる職種」が急拡大しています。
私が総合保険代理店に在籍していた時期、富裕層や経営者の顧客を担当していました。その中には「自分もそろそろキャリアを変えたい」と打ち明けてくれた30代の営業職の方が何人もいて、その後のキャリアを追いかけることになりました。7名の事例はそうした実際の接点から生まれています。
7名の転職先の分布と転職前後の年収感
7名の内訳はITセールス・インサイドセールスが3名、マーケティング職が2名、人事・HRテックが1名、独立・起業が1名です。転職前の年収は400〜600万円台が中心でした。転職後の年収変化には個人差があり、入社直後に年収が下がったケースもあれば、2〜3年で大きく回復したケースもあります。一律に「上がる」とは言えませんが、スキルの棚卸しと転職エージェント活用を組み合わせた方の多くは、3年以内に転職前の年収水準を超えています。
以下のH2では、特に注目すべきIT転職3名とマーケ・人事転職2名の詳細を取り上げます。
営業からITへ転身した3名の年収変化と判断軸
事例①:生命保険営業からSaaSのインサイドセールスへ(32歳・男性)
Aさんは大手生命保険会社での4年間の営業経験を経て、SaaSスタートアップのインサイドセールスに転職しました。転職直後の年収は約420万円と、前職の520万円から約100万円ダウンしています。しかし転職1年半後には固定給+インセンティブで540万円を超え、2年後にはフィールドセールスへ昇格して年収650万円台に到達しました。
Aさんが評価されたのは「保険営業で培ったヒアリング力と反論処理の技術」です。SaaS企業のインサイドセールスでは、短時間の電話やオンライン商談でニーズを的確に掴む力が必要とされます。保険営業の経験はここに直結していました。営業 IT転職を目指す方にとって、まず検討すべき職種の一つです。
事例②:自動車ディーラー営業からITコンサルへ(29歳・男性)と事例③:損保代理店からカスタマーサクセスへ(34歳・女性)
Bさん(29歳・男性)はIT未経験で大手ITコンサルティング会社に転職し、入社時年収は480万円。前職の430万円からは上昇していますが、プロジェクトマネジメント経験を積んだ2年後には650万円台に達しました。BさんはIT転職前に基本情報技術者試験を自力で取得しており、「スキルへの先行投資」が採用の決め手になったと本人から聞いています。
Cさん(34歳・女性)は損保代理店での3年間の営業経験から、HRテック企業のカスタマーサクセス担当へとキャリアチェンジを果たしました。転職時年収は横ばいの380万円でしたが、顧客の継続率(リテンション率)の改善実績を積み上げ、18ヶ月後に管理職に昇格して年収480万円になっています。保険営業で培った「顧客の不安を先回りして解消する」スキルが、カスタマーサクセスの現場でそのまま活きたと話してくれました。
私自身のキャリアチェンジ経験|保険代理店から経営者へ転じた判断プロセス
富裕層・経営者との接点が私のキャリア観を変えた
私が総合保険代理店で富裕層・経営者向け営業を担当していた時期、顧客の多くは「保険を買っているだけ」ではなく、「事業リスクと個人資産を総合的に考えて動いている人」でした。その視点を間近に見るうちに、私自身も「営業の先にある経営」に強い関心を持つようになりました。
AFP(日本FP協会認定)の知識を持ちながら、宅地建物取引士の資格も取得し、不動産と金融を組み合わせた資産形成の観点を顧客に提供してきた5年間は、後の自分の経営判断の土台になっています。キャリアチェンジは「逃げる転職」ではなく「自分の武器を別の場所で活かす転職」であるべきだと、この時期に確信しました。
転職エージェント活用のリアル|私が実際に使った方法と反省点
私が保険代理店から独立・法人化に向けて動き出した際、転職エージェントへの相談も並行して行いました。複数のエージェントに登録し、担当者との面談を経て求人を見ていく中で気づいたのは、「エージェントごとに保有求人の質が全く異なる」という点です。
特に営業からのキャリアチェンジ事例に強いエージェントと、単純に求人数が多いだけのエージェントでは、紹介される求人の解像度が大きく違いました。前者は「なぜこの会社があなたに向いているか」を具体的に説明できます。一方、後者はプロフィールを入力すると自動でマッチングされた求人がメールで届くだけというケースが多く、本当の意味での転職エージェント活用にはなりません。転職エージェントを活用するなら、担当者との対話の質を見極めることが先決です。営業からエンジニア転職5戦略|代理店時代の私が掴んだ突破軸2026
マーケ・人事へ移った2名の判断軸と失敗した2名の共通点
事例④・⑤:営業マーケ転職と人事転職を選んだ2名が重視した「職種選びの基準」
Dさん(31歳・女性)は医療機器メーカーの法人営業から、BtoBマーケティング職へと転身しました。転職前年収は490万円、転職後は430万円に下がりましたが、Dさんは「最初の年収ではなく、3年後の市場価値で判断した」と話しています。実際、マーケターとしての実績を積んだ2年後には、より条件の良い企業からのスカウトを受け、年収520万円のポジションへ移っています。
Eさん(38歳・男性)は人材派遣会社の営業から、スタートアップの人事採用担当へと転じました。営業職で培った「採用候補者との関係構築力」と「数字で目標を管理する習慣」が採用の決め手になったと話しています。キャリアチェンジ事例として、営業→人事はまだ一般的ではないルートですが、HRテック化が進む中で注目度が高まっています。営業からエンジニア転職の落とし穴9選【2026年版】
事例⑥・⑦:失敗した2名の共通点と再起のための教訓
一方で、転職がうまくいかなかったケースも直視する必要があります。Fさん(33歳・男性)は保険営業から未経験のWebデザイン職へ転職しましたが、6ヶ月で離職しています。原因は「憧れで職種を選び、スキルの裏付けがないまま転職した」点です。入社後に求められるアウトプットのレベルと自身のスキルのギャップが埋められず、職場になじめませんでした。
Gさん(40歳・男性)は営業管理職からITエンジニアへの転身を試み、転職先でのプログラミング学習についていけず1年で退職しています。Gさんのケースで特徴的なのは、「転職前に転職エージェントの担当者から懸念を伝えられていたが、その意見を聞かなかった」という点です。転職エージェント活用の目的は、背中を押してもらうことではなく、客観的なリスクを把握することにあります。この視点を持てるかどうかが、成功と失敗を分けます。
成功者に共通する5つの行動パターン|まとめと次の一手
7名の事例から導き出した成功者の行動パターン5つ
- 「入社時の年収」ではなく「3年後の市場価値」を基準に転職先を選んでいる:初年度の年収ダウンを許容できる人ほど、中長期で大きくリカバリーしています。
- 転職前に「スキルの先行投資」を行っている:IT系資格や実務的なツール習得(HubSpot、Salesforce等)を転職活動の前に着手しているケースが多いです。
- 営業スキルを「移植」ではなく「翻訳」している:「ヒアリング力がある」ではなく「初回商談で顧客課題を言語化できる」という形で具体化して面接に臨んでいます。
- 転職エージェント活用を「情報収集」と「意思決定の検証」の両方に使っている:1社だけでなく複数エージェントを比較し、担当者の見立てを複数の視点で確認しています。
- 「なぜ営業を続けないのか」という問いに自分の言葉で答えられる:「営業が嫌だから逃げる」ではなく「営業で得たスキルをこの職種で活かしたい」と説明できる人が採用されています。
あなたが今日できる最初の一歩
営業からの異業種転職事例7名を振り返ると、成功した人には「準備の深さ」と「客観的な自己評価」という共通点があります。転職は思い立った日から始まるのではなく、自分のスキルの棚卸しから始まります。
私自身、保険営業から経営者へのキャリアチェンジを経験したからこそ断言できますが、「営業出身者は異業種でも通用する」というのは事実です。ただし、それを実現するには戦略的な準備と、信頼できる情報源・転職エージェントの選択が欠かせません。まずは転職エージェントに相談して、自分の市場価値を客観的に測ることから始めてください。個別の事情により転職の結果は異なります。最終的な判断は、必ず自分自身と信頼できる専門家との対話のうえで行ってください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。
【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆
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